トライアスロン&フリーランス管理栄養士 木下ともえです。
『サブ2.5医師が教える マラソン自己ベスト最速達成メソッド』図書館でタイトルを見て気になったので借りてきた本です。
ん?でも、読んだことがあるかも……。
って確認したら、タブレットに『サブ2.5医師が教える マラソン自己ベスト最速達成メソッド』の電子書籍がありました。
しかし、途中までしか読んでいなかったのできちんと読み直しました。
図書館で本を借りると期限があるので積読にならなく良いですね。
この記事では『サブ2.5医師が教える マラソン自己ベスト最速達成メソッド』を読んで、今後、自分の練習に活かしていきたいこと、気になったことをまとめてみました。
『サブ2.5医師が教える マラソン自己ベスト最速達成メソッド』とは
『サブ2.5医師が教える マラソン自己ベスト最速達成メソッド』は、日本では数少ない「陸上アスリート専門外来」の整形外科医の諏訪通久(すわ みちひさ)氏が書いた本で、2019年12月に出版されました。
本の著者紹介には、自己ベストは2時間28分57秒で、IAU50km世界選手権日本代表候補歴もあるとのこと。
タイトルにもある通り、サブ2.5医師ですね。
このようなプロフィールを見ると、学生時代から陸上部でガンガン走っていたのでは?と思いますが、陸上経験はなく、マラソン大会のランニングドクターとして、余裕を持って「長く安定して」走るためにトレーニングを始めたそうです。
その後、実業団駅伝部のチームドクターになったことをきっかけに、「長く安定して」に加えて、「より速く」走りたいと思うようになり、本格的な練習を始めて初マラソンでサブ3を達成。
陸上未経験から2年でサブ2.5を記録したそうです。
すごい!
残念ながら、その後、交通事故でアキレス腱を断裂して、1年ぐらいは普通に歩くこともままならなかったようですが、ジョギングはできるようになったと書かれていました。
医師として忙しいなか、そんなに短期間でサブ2.5を達成された著者は、もともとの能力が違うとは思いますが、私の記録更新にも役立つヒントがありそうな気がして読み進めました。
速くなるランナーの「2つの特徴」
速くなるランナーには2つの特徴があるそうです。
気になりますね。
①「単調な練習」では伸びにくい
淡々と同じコースを同じスピードで走るのがメインの私には耳が痛い。
著者によると伸び悩んでいるランナーはこういうタイプが多いそうです。
確かに、速くならないって悩んでいるのに、同じ練習ばかりしていてはダメですよね。
②速くなるランナーは「体調管理」に気を配る
「走るだけが練習ではない」と著者は言います。
私も栄養管理にはかなり気を配っているのでこれは大きくうなずけます。
結局、体調を崩したら、走れませんから。
この2つを守ることで、自己ベスト達成がグッと近づくとのこと。
②はまあまあできているので、①の改善が必要です。
月間走行距離100kmというかなり?相当ざっくりとした練習計画しか立てていなかったので、今シーズンはポイント練習をきちんとメニューに組み込んで「単調な練習」から卒業します。
ランナーと水分補給「グリセリンローディング」
この本ではレース前に体に糖質であるグリコーゲンを満タンにするカーボローディングについても書かれていますが、ウォーターローディングやグリセリンローディングについても書かれています。
体に水分を満タンにするウォーターローディングは知っていましたが、グリセリンローディングは知りませんでした。
ウォーターローディングの方法
1回に150~200ml、1日でトータル1000~1200mlの水をレース1週間~5日前から飲む
水は水道水ではなく、硬水が良いそうです。
日本の水道水は軟水。
海外のミネラルウォーターのコントレックスや
エビアンなどを飲むと良さそうです。
このウォーターローディングをより効率的にしたものが、グリセリンローディング。
グリセリンは体内で合成されて、水分と一緒になりやすいという性質があります。簡単に言い換えますと、グリセリンが摂取されて細胞内に入った際、細胞外の水分を連れてきてくれますので、より多くの水分を細胞内に保持する「細胞内貯水」ができます。
細胞外にある水は汗や尿として放出されやすいので、細胞内に取り入れてしまうことにより水分が失われにくくなるという理論です。『サブ2.5医師が教える マラソン自己ベスト最速達成メソッド』より引用
具体的な商品は紹介されていませんでしたが、Amazonでグリセリンローディングで検索すると出てた商品はこちら。
ちょっと味とか想像できませんが、試してみたくなりますね。
ランナーに必要な睡眠時間
自己ベスト達成のためには、やはりしっかりと睡眠をとることが大切です。
具体的なポイントがいくつか紹介されていましたが、冷暖房を使いすぎないというポイントが気になりました。
快適な環境にいる時間が長いと、気候の変化への対応が鈍くなる恐れがあるそうです。
確かに、自分の体を合わせるのではなく、環境を快適にすると適応力は低くなる気がします。
著者も言っているように、無理に炎天下で練習する必要はないけれど、いろいろな環境に対応できる体を作ることも大切だと感じました。
季節だけでなく、晴れた日、曇った日、雨の日でも気温はかなり違いますから。
ランナーの適正体重
荷物は軽い方が効率的ですが、体重を減らし過ぎても貧血や女性なら無月経や骨密度低下の恐れがあります。
通常の練習時期には、「軽すぎず重すぎず」というレベルに収めておき、レースの3週間前までに徐々に減らしていくのが良いと考えています。
しっかり練習していれば、体重は減っていく傾向があるのでそんなに気にしなくてもよいそうですが、体重を一定タイミングで測ることを勧められています。
ベストは起床時排尿後
私もこのタイミングで測っていて、クライアントにもこのタイミングを勧めています。
除脂肪体重のコントロールが大切とのことで、著者が陸上競技コーチの資格を持っている日本スポーツ協会の推定エネルギー必要量(kcal/日)を算出できる計算式が紹介されていました。
推定エネルギー必要量=28.5kcal/kg/日×LBM(kg)×PAL
LBM:除脂肪量、PAL:身体活動レベルPAL(身体活動レベル)
オフトレーニング期:1.75
通常練習期:2.50
体重46.9kg 体脂肪率18.7%の私の例で計算してみます。
体重46.9kg 体脂肪率18.7%の場合
体脂肪量
46.9kg×0.187=8.8kg
除脂肪体重
46.9kg-8.8kg=38.1kg
推定エネルギー必要量(kcal/日)
オフトレーニング期:28.5×38.1×1.75=1900kcal/日
通常練習期:28.5×38.1×2.5=2715kcal/日
日本のトップアスリートの栄養モデルも参考にしている計算方法なので、推定必要エネルギーは私には多めな気もしますが、今後の参考にしたいと思います。
とにかく、練習しているからと推定必要エネルギーを超えてエネルギーを摂取していたら、体重は減らないということです。
ご褒美が多いアスリートは気をつけましょう!
逆にどんどん体重が減ってしまうという方は、エネルギが足りないということ。
食べている量が適正かどうかは、自分の体重で簡単に分かるので体重は毎日測りましょう。
お気に入りの体重計を買うと体重測定が続くかもしれません。
医学的に正しい減量の仕方
最近、ダイエットというと糖質制限から始める方が多いのですが、著者は糖質制限の落とし穴についても忘れないようにと注意を喚起しています。
さらに、体重を落とす時に最初に減らした方がよいものが3つ紹介されていました。
①お菓子などのあまいもの
②ビールなどのあルコール
③調理油などのあぶら
全てあで始まるこれらのものは必要度の低いものなので初めに減らすべきものとのこと。
甘いもの、アルコール、油と全部苦手。
昔から、甘いものと油っぽいものは苦手でした。
しかし、アルコールは大好き。
「運動しているのに体重が減らない」と悩んでいた時期もありましたが、その頃はガンガンアルコールを飲んでいたので、やせない原因はアルコールだったと気づきました。
まとめ
『サブ2.5医師が教える マラソン自己ベスト最速達成メソッド』を読んで私が第一優先で真似したいと思ったことは、単調な練習からの脱却とレース前のグリセリンローディングです。
その他、この本にはレース本番のマネジメントで前日から直前までの準備やレース中の補給法、マラソン中の腹痛への対処法まで医師ならではの細かいポイントが書かれています。
気になる方は、ぜひ、一度読んでみてくださいね。