トライアスリート&フリーランス管理栄養士の木下ともえです。
2024年9月15日に北斗市と木古内町で開催されたアイアンマン・ジャパンみなみ北海道に出場し、10年ぶりにアイアンマンになれました。
結果をサクッと知りたい方はこちらをどうぞ↓
レースレポートは1つの記事にまとめようと思ったのですが、書きたいことがたくさんあり、かなりの長文になったので、それぞれのパートで分けて書いています。
名古屋を出発してからレース当日までのレポートはこちら↓
レース当日の準備からスイム、スイム→バイクのトランジションのレポートはこちら↓
この記事では今回のレースで一番大変だったバイク、バイク→ランのトランジションについて書いていきます。
また、長くなると思いますが、お付き合いください。
目次がありますので、時間がない方は目次から知りたいところに飛んで読んでくださいね。
アイアンマン・ジャパンみなみ北海道 バイク180km
スイムをほぼ予測通りの1時間31分で終え、10分トランジションに費やし、バイクスタート。
私はスイム、バイク、ランのなかでバイクが最も苦手。
バイクが終わるまでは完走できる確信が持てません。
逆に言うと、バイクが終わってランになれば、完走できる!と思って自信を持って走れます。
今回のコースは車で何回も通って確認済みだったけれど、緩やかなアップダウンの連続する180km。
途中、トンネルや6%の坂もあります。
いろいろ心配な点はあるけれど180kmを走り切らなければ、再びアイアンマンになれない。
スピードよりも完走を目指してがんばろう!とバイクスタート。
スタート直後に発覚したメカトラ
リアディレイラーが動かない!
スタート直後にDNFを思わせるような異変に気づきます。
気のせい?!と思いながら、もう一度変速してみる。
リアのギア変速ができない!
そんな馬鹿な?!
レースの前に愛車のTREKスピードコンセプト君をオーバーホールに出して、Di2の充電池がダメになっていたから交換して、バイクの組み立て後にもメカニックにチェックしてもらったのに。
今朝、バイクに補給食をセットした時には変速のチェックはしなかったので、その時から動かかなかったのかは不明。
確認したほうがよかったかな?
とも思いましたが、スイムの前にチェックして変速ができないことがわかったら、動揺してスイムに影響が出そうだから、結果的には確認しなくてよかったと思います。
バイクを箱に入れるときに配線を抜いたのでうまく刺さっていないのかもしれないと思って、いったん止まって確認。
しかし、ちゃんと配線されている。
何回、変速してもリアは変速できない!
ギアはローから4つ目のギアで止まったまま。
フロントもってことはないよねと変速してみると、フロントは変速できました。
でも、1kmも走っていないのにDNFなんて悲しすぎる。
とりあえず、このまま走っていこうと決め、バイクを漕ぎます。
メカニックがどこかにあるはず(いるはず)だから、出会ったら相談してみようとフロントのギア変速だけで進みます。
もともと、バイクは速くないのでどんどん抜かされことには慣れていますが、いつもよりもたくさん抜かされている気がして悲しい気持ちになりました。
特に、フラットペダルのトライアスリートに抜かされたときはけっこう落ち込みました。
体重が軽いので上りで抜かした人に下りで思いっきり抜かれるのもやる気がなくなりますが、他人との戦いではなく、自分との闘いだと自分自身に言い聞かせて、脚を回します。
バイクで抜かれた人はランで抜き返すんだ!
と抜かされるたびに思っていました。
まあ、周回コースなので全員を抜かせるわけではないですが……。
6%の急坂の手前の北茂辺地のトイレのところにCerveloサーベロのテントを発見。
バイクを見てもらっている選手がいたのでメカニックだろうと判断して、いったん、スピコン君から降りて順番を待ちました。
バイクが衝撃が受けた時にロックがかかって動かなくなることがあるとのことで解除をしてもらいましたが動かず。
私の前に見てもらっていた方も変速ができなくなったみたいでしたが、原因不明だったとのこと。
原因を調べてくださるとのことだったので、2周回目にも立ち寄ることにして坂を下りました。
坂の下でチームゴーヤーの千葉さんに撮影していただいた写真。
足首の角度がダメらしい……。
足首の角度なんて気にしたことがなかったので、トライアスロンオフシーズンに改善をしたいと思っています。
アイアンマン・ジャパン・みなみ北海道のバイクコースは主に高速道路を走るコースで少し変速的なところはありますが、だいたい同じところを3周回します。
6%の坂がある北茂辺地までは半周弱といったところ。
とりあえず1周回って回れれば、リアのギア変速ができなくてもバイクを走り切ることができそう。
もしかしたら、2周目にメカニックに寄ったら、原因がわかって快適に走れるようになるかもしれないしとめちゃくちゃポジティブに考えて、ひたすらバイクを漕ぎます。
アイアンマンのキャッチフレーズの「Anything is Possible」、レース直前に捻挫をした2016年の五島長崎国際トライアスロン大会バラモンキングのランであきらめそうになった時にであった言葉「Winners Never Quit(勝者はあきらめない)」をずっと心の中で唱えていました。
高速道路の電光掲示板にも「Anything is Possible」と表示されていて、この表示にも励まされました。
あと、高速道路なので基本的に応援の方達は沿道に入れないのですが、側道で応援してくれる方がいらっしゃってとてもうれしかったです。
軽トラに台を設置して、ずっと応援してくれる地元のおじいちゃんっぽい方を見るたびに泣きそうになりました。
ありがとうございました!
さて、リアのギア変速ができなくても、坂を下るのは問題ありませんが上るのは大問題!
6%の坂の手前でフロントのギア変速だけで坂を上れるかなと思っているところ↑
でも、この6%の坂が上れれば、たぶんほかの場所は大丈夫だと言い聞かせ、フロントギアの変速だけでガシガシ上りました。
上れた!!!たぶん、行ける!!!
とかなり明るい気持ちになって(単純)、まずは1周回がんばろうとスピコン君を漕ぎます。
DHバーを握っているけれど、全然TTポジションになっていない↑↓
頭が上がりすぎですね。
高速道路に入った北斗富川の辺りまで来て1周回れたのでバイク完走できそうな気がして、北茂辺地のメカニックに向かいます。
途中、男性の選手が道路の脇で放尿をしていて
10万円以上も出してトライアスロンにエントリーする人がそんなことするのか……。
と悲しい気持ちになりました。
ギアが変えられないので上り坂は重く、下り坂は軽すぎて調子が狂いましたが、リアの変速固定のゲームをしているんだと思い、ひたすら脚を回します。
北茂辺地のメカニックに到着。
このままでも何とかバイク180km走れそうだけど、リアのギア変速ができたほうが快適だから、メカニックに再度立ち寄りました。
しかし、やはり動かず。
津軽海峡をバッグに渋い顔↑
天気予報が曇りだったのとトンネルがあったので、今回はクリアなサングラスオークリーのCorridor prizm low light レンズにしました。
クリアなレンズでトンネルの中も快適だったし、少し晴れてきててもまぶしくなかったのですが、写真に表情がばっちり写ってしまうのと、他の選手と目が合いやすい点が難点に感じました。
でも、お天気が悪い時はまた使うと思います。
話をバイクに戻します。
結局、リアディレイラーは直らなかったので2回のメカニック立ち寄りで10分以上使ったことに少し後悔しましたが、あきらめがつき、フロントギアの変速のみで180kmを走りぬこう!と決心できたのでよかったのかもしれません。
いろいろ調べてくださったメカニックの方、ありがとうございました。
また、エイドでの応援もいっぱいいただき、本当に力になりました。
長時間のボランティア、ありがとうございました。
Garminウォッチの操作ミス
リアのギア変速ができず、メカニックに立ち寄った時にGarminウォッチを止めて再開するときに変なところを押してしまうという事件が発生。
アイアンマン70.3東三河の時にはGarminウォッチがバイクから動かなくなるというアクシデントがありました。
でも、今回は明らかに自分のミス。
Garminウォッチのエクササイズ選択で、レースの時はトライアスロンを選ぶのですが、あまり使わないので変なところを押しちゃうんですよね。
バイクが半分も終わっていないのに、バイク→ランのトランジション②になってしまいました。
どうしたものかと、しばらく、トランジション状態で走っていたのですがこのままだと、距離がわからない。
あまりバイクに乗らないし、スピードや回転数など見て走らないので、サイコンはついてません。
アイアンマン・ジャパン・北海道のバイクコースは周回っぽいけれど、完全な周回じゃなくて、自分で距離を管理して進むコースを選ばないといけないところもあるので距離がわからないと困ると思い、バイク中だけどランに切り替えました。
バイクのラップは5kmごとですが、ランのラップは1kmごとなので、めちゃくちゃピーピー音が鳴ってうるさいけれど、仕方がありません。
次回はこんなことがないように、事前にトライアスロンモードの使い方を練習しつつ、サイコンもつけてレースに出たいと思います。
Garminウォッチの操作ミスをしたところから、ランの距離を足して、コースを間違わないように細心の注意を払ってバイク→ランのトランジション②へ。
バイクゴールも微妙に上り坂で心配でしたが、無事に上れてバイク完走。
180kmバイク中の補給食
怪しい押収物のような画像ですが、アイアンマン・ジャパンみなみ北海道のバイクで補給しようと思っていた補給食です。
一応、管理栄養士なので(笑)、補給はきちんと計算をして計画を立てました。
いつも計画通りにはいかないのだけど……。
アイアンマン・ジャパン・みなみ北海道の補給については、また、別の記事で詳しく書く予定ですが、ここでは簡単にどのぐらいバイクで摂ったかをまとめます。
記憶が定かではないところもありますが、自分で用意した補給でバイクバイク中に摂ったものはこんな感じです。
GUロクテインエナジードリンクミックス ストロベリーハイビスカス 250kcal |
1 | 250kcal |
GUロクテインエナジードリンクミックス グレープ 250kcal |
1/2 | 125kcal |
ANDO_ 100kcal |
6 | 600kcal |
Mag-on アップル 120kcal |
2 | 240kcal |
Mag-on グレープフルーツ 120kcal |
1 | 120kcal |
Mag-on ピンクグレープフルーツ カフェイン入り 120kcal |
1 | 120kcal |
合計 | 1,455kcal |
エイドではスポーツドリンクのアクエリアスをもらいましたので、正確には1,455kcal+アクエリアスとなります。
GUロクテインエナジードリンクミックスを2本飲み切って、30分に1個ずつANDO_かMag-onを摂る予定でしたが、前半はそんなに摂れず、20kmに1個ずつANDO_かMag-onを摂りました。
後半、お腹が急激に空いきたのでその時はもっと補給していました。
予定では1,775kcalを摂取予定だったので、スイムの前に摂ったアミノバイタルの分(132kcal)やエイドのアクエリアスを加味するとほぼ計画通りに摂れたのではないかなと思います。
私はランの時はジェルも食べられなくなるので、とにかくバイクでエネルギーを満タンにします。
でも、咀嚼でエネルギーを使いたくないので飲むあんこのANDO_と
やわらかめのジェルMag-onを摂り続けました。
あと、だいたいジェルが吹っ飛んでいくので余分には持っているのですが、今回は吹っ飛ばなかったのでかなり余りました(笑)。
アイアンマン・ジャパンみなみ北海道 バイクリザルト
トラッカーのバイクリザルトはこちら↓
バイク 7:39:36 | エイジ22位 | 女性102位 | 全体1111位 |
タイム | 時間 | ペース km/時間 | |
9km | 23:46 02:05:26 |
8:43:53 am | 22.74 |
20km | 1:01:33 02:43:13 |
9:21:40 am | 17.47 |
63km | 2:37:51 04:19:32 |
10:57:58 am | 26.79 |
75km | 3:06:03 04:47:44 |
11:26:10 am | 25.53 |
91km | 3:47:43 05:29:24 |
12:07:50 pm | 23.04 |
118km | 4:51:24 06:33:05 |
1:11:31 pm | 25.44 |
130km | 5:22:00 07:03:41 |
1:42:07 pm | 23.53 |
145km | 6:06:25 07:48:05 |
2:26:32 pm | 20.26 |
162km | 6:47:04 08:28:44 |
3:07:11 pm | 25.09 |
178km | 7:32:15 09:13:56 |
3:52:22 pm | 21.25 |
180km | 7:39:36 09:21:17 |
3:59:44 pm | 16.31 |
平均ペース | 23.50 |
オフィシャルの順位はトラッカーと少し違っていました。
オフィシャルの順位はこちら↓
エイジ19位 | 女性94位 | 全体1042位 |
ちょっとましになっていますね(笑)。
アイアンマン70.3東三河のときのバイク90kmが3時間8分22秒だったので、コースの違いや距離も考えて、今回のバイクは7時間と見積もっていたのですが、メカトラブルがあり予想タイムより40分も長くかかってしまいました。
10年前の人生初のアイアンマンの時でもバイクが7時間22分45秒。
それよりも17分も遅かった。
リアの変速ができないトラブルは予測できなかったので仕方ありませんが、こんなに遅いとは思いませんでした。
こんなに遅いと最後の周回は、エイドも片付けが始まって規模が小さくなってきてめちゃくちゃさみしかったです。
次回はエイドが縮小される前にバイクを終えたいと思います。
アイアンマン・ジャパンみなみ北海道 トランジション②
想定外に時間はかかったけれど、午後4時にバイクを終えたのでラン42.195kmを4時間30分で走り終えれば余裕を持って完走はできるし、歩いても間に合うなとバイクの時とは打って変わって強気になり、トランジションへ。
ここも2回訪れて、バイクラックの位置を確認している割に迷う。
雨対策をしっかりとした、ランギアバッグを取って更衣室へ。
ランギアバッグに入れたものは以下の通り。
- ランニングシューズ
- 靴下
- キャップ
- ゼッケン&ゼッケンベルト
- タオル
- ワセリン
- OS1ゼリー
雨対策のためにバッグの中身を取り出すのに少々苦労しましたが、濡れたソックスやランシューよりはましと思いながら、袋を引きちぎらないように(バイクで使ったものを入れなくてはならない)中身を取り出してトランジションを進めます。
塩分補給のためにオーエスワンゼリーを摂りながら、ランの準備。
オーエスワン ゼリー 20kcal | 1 | 20kcal |
いつもは靴下を取り替えないけれど、今回は靴下をランの前に取り替えました。
足裏に砂がまだいっぱいついていたのと、ふやけていたのでタオルで拭いてから、靴擦れ防止のための保護クリームプロテクトJ1を足裏に塗り、新しい靴下に履き替えます。
スイムのウエットの擦れ防止にも使ったので、プロジェクトJ1は2本用意しました。
ワセリンのようにベタベタしないのでトランジション中に使うのにピッタリだと思います。
それなのに、アンクルバンドがしっかり固定できていなくて、バイクの時から足首が擦れていたのにプロジェクトJ1を塗りわすれたので、ランの時に足首が擦れて傷だらけになってしまいました(涙)。
足首が擦れて痛いなぁと思いながら走っているところ↑
次回はアンクルバンドが擦れないように足首が出ないソックスを履こうと思います。
ランニングシューズはonのCloudsurferを履きました。
ふわふわでお気に入りのシューズ。
Say Skyのキャップをかぶり、ラン用の補給食をポケットに入れ、荷物を預けてランスタート。
転げないように階段を降り、バイクの時に一度も行かなかったトイレへ直行しました。
少し並んだのですが時間がかかりそうだったので、まだ、ガマンできそうだったし(7時間半以上もトイレに行っていないのに!)、先のエイドで行ったほうが空いているかもと思い、ランスタート。
結局、第1エイドも混んでいたので第2エイドでトイレに行くことになります。
トランジション② | タイム | 時間 |
10:56 09:32:13 |
4:10:39 pm |
スイム→バイクのトランジション①は、トイレに行っても10分41秒だったので、トランジション②は時間をかけすぎたと反省。
バイクが終わって、ホッとしたのかもしれない。
【レースレポート】アイアンマン・ジャパンみなみ北海道/2024 ④ラン編に続く……。