トライアスリート&フリーランス管理栄養士の木下ともえです。
アイアンマン70.3東三河ジャパンを完走するためにやったこと、今回は【食事編】です。
私はミドル以上のトライアスロンを完走するには、食事が超重要になると考えています。
「え?!トレーニングの方が重要じゃないの?」
もちろん、トレーニングしなければ、完走できません。
なので、私がアイアンマン70.3東三河を完走するためにどのぐらい練習したかについて、【トレーニング編】で報告をしています。
ミドル以上のトライアスロンを完走するためには、コンスタントにトレーニングを継続する必要があります。
私は秋冬はスイム・バイクをサボりがちですが、ランは1年中やっています。
コンスタントにトレーニングを続けるためには、トレーニングに耐えられるカラダが必要です。
カラダは何からできているかというと、アナタが食べたものでできています。
栄養指導や食事指導をしていると、自分のカラダが自分で食べたものからできていることを忘れている人が多いと感じます。
ジャンクフードでできたカラダと栄養バランスのとれた食事でできたカラダ、どちらが楽に完走できそうですか?
栄養バランスのとれた食事でできているカラダですよね。
と言っても、私は管理栄養士なので食事には気を配っていますが、毎食カロリー計算をしたり、ガチガチには食事管理していません。
この記事では、アイアンマン70.3東三河を完走するためのトレーニング中の食事、レース直前の食事、レース当日の朝食、レース中の補給、レース後の補給、まとめとして当日のエネルギー摂取量についてまとめました。
トライアスロンやマラソンなど、エンデュランススポーツに取り組んでいるけれど、食事はどんな風にしたらよいかわからない方、食生活を改善したい方、ぜひ、最後まで読んでみてください。
トライアスロントレーニング中の食事
トレーニング中の食事=普段の食事の紹介です。
私には高校生の頃から続けている食事管理ルールがあります。
今、52歳なのでなんと30年以上続けています。
その食事管理ルールとは、女子栄養大学考案の「四群点数法」。
四群点数法は、食品の栄養素の特徴別に4つのグループ(食品群)に分け、それぞれの特徴にそって、各グループの食品をどのぐらい食べたらよいかという食事ルールで細かいカロリー計算は不要です。
管理栄養士なので、毎食きっちりとカロリー計算をしていると思われがちですが、厳しくダイエットをするとき以外はカロリー計算はしておらず、四群点数法をゆるく実践しています。
30年以上続けている四群点数法とは?
「四群点数法ってなに?」という方が多いと思うので簡単に説明します。
第1群から第3群までの各グループの食品を優先的に各3点ずつ、第1群3点、第2群3点、第3群3点という食べ方を実践すると、1日に必要なビタミン類やミネラルなどの栄養素がほぼ確実にとれます。
それらを確保したうえで、エネルギー源となる第4群の食品を性別や年齢、活動量をベースにしながら調整するという食事方法です。
四群点数法のルール
*食品を4つのグループに分け、80kcalを1点と考える
第1群 | 3点 | 日本人に不足しがちな栄養素を含み、 栄養バランスを完全にする |
牛乳・乳製品、卵 |
第2群 | 3点 | 肉や血をつくる良質タンパク質 | 魚介類、肉、豆・豆製品 |
第3群 | 3点 | カラダの調子をととのえる | 野菜(きのこ・海藻含む)、芋、果物 |
第4群 | 11点 | 力や体温となる | 穀類、油脂、砂糖、菓子・酒類 |
*ほとんどの人で最低限必要となるエネルギー量1日20点✕80kcal=1600kcalを基本とする
*成長期の人、身体の大きな人、運動量の多い人などは3点、3点、3点、11点の基本パターンを摂取したうえで各個人の必要量にあわせて点数を増やす
私は高校時代に四群点数法に出会い、ダイエットに成功。
それをきっかけに栄養学に興味を持ち、管理栄養士を目指すことになりました。
高校生で栄養学の知識がなくてもバランスのとれた食事がとれる方法だと思います。
基本は1日20点1600kcalを摂るようにして、運動量や体重の変化に応じて、第2群と第4群を増減させています。
もちろん、体重は毎日、ガーミンスケールで量っています。
55kg~45kgの間で体重の変動はあるもののBMIの標準体重内でおさめられています。
食トレーニング研究所のYouTubeチャンネルで四群点数法について、解説をしています。
わかりやすく、実践しやすい食事管理法をお探しの方はこちらをご覧ください。
おすすめの本はこちら。
サプリメントやプロテインなどは、トレーニング中に定期的に飲んでいるものはありません。
たまに、サンプルでいただいたものを摂る場合はありますが、食事から栄養素を摂るようにしています。
トライアスロンレース直前の食事
レースの3日前になったら、四群点数法のルールは無視して、カーボローディング(グリコーゲンローディング)をします。
カーボローディングとは?
英語では、carbohaydrate loading、つまり、炭水化物(Carbohaydrate)を詰め込む(loading)食事法。
炭水化物は、消化吸収された後、肝臓と筋肉に運動時のエネルギーとなるグリコーゲンという形で蓄えられるので、グリコーゲンローディングと呼ばれることもあります。
カーボローディングをチートデイと勘違い?して好きなものを好きなだけ食べてよいと考えている方が時々いらっしゃいますが、食事全体の摂取エネルギーは変えずに三大栄養素タンパク質・脂質・炭水化物のバランスを変えて、炭水化物を多くする食事方法です。
つまり、炭水化物から摂取するエネルギー(カロリー)を増やしたら、タンパク質や脂質の摂取エネルギーを減らす必要があります。
そうしないと、エネルギー摂取が増えてしまい、体重が増える可能性があるからです。
ロングディスタンスのトライアスロンをめちゃくちゃがんばっていたころのカーボローディング方法はこちらの記事で紹介しています。
この時は40代だったせいか、今ほど体重が増えやすくなかったので、タンパク質や脂質を減らしたりはしていませんでした。
ただし、普段の炭水化物摂取量がごはん茶碗1杯100gだったみたいで少なかったです。
今は、ごはんお茶碗150gを食べています。
アイアンマン70.3東三河前のカーボローディング方法
今回はカーボローディング方法を少し変えてみました。
主食(ごはん・パン・麺類など):増やす
主菜(肉・魚など)のおかず:減らす
副菜(野菜など):いつも通り
こんなカーボローディングを実践しました。
レース当日の朝食
アイアンマン70.3東三河のスタートが6時だったので、3時に起きて朝ごはんを食べました。
レース当日の朝食は前の晩に作っておいたおにぎり1個200gを3個。
当日の朝は食物繊維は極力摂らないようにしているので、海苔なしのおにぎりです。
そして、レース直前までの水分と糖質摂取のためにポカリスエット500mlをちびちび飲みます。
準備をして、ポカリを飲みながら会場に出発!
トライアスロンレース中の補給
スタート場所の白谷海浜公園についてからの補給についてふり返ります。
スタート直前の補給
レース会場に入ってからは、朝から飲んでいるポカリスエットを少しずつ飲みながら、準備。
レースが始まる前までに摂るための補給は、ポカリスエットゼリー、ベスパプロ、アミノサウルス。
5時過ぎのスイムウォームアップ前にこの3つを摂りました。
レース直前に記憶があまり定かではないのですが、味の素の方がアミノバイタルのサンプルをスイムスタートのところで配っていたので、赤と青のアミノバイタル アミノショットを摂りました(違っていたらごめんなさい)。
補給もバッチリ考えて準備していたのに、サンプルで配ってると、ついついもらってしまい、ダメだなと思いつつ、あとで余分なエネルギーを摂っておいてよかったという事件が起こります。
スイムからバイクへのトランジション中の補給
スイムから上がり更衣室に入ったら、トランジションバッグの中のOS-1とアミノサウルスを摂りながら、ウェットスーツを脱ぎ、グローブをつけて、靴下を履き、ビンディングシューズを履きます。
私のこだわりポイントは、OS-1のフタをレース前に開けておくこと。
レース中にムダな力を使いたくないからです。
バイクの準備が整ったら、バイクラックへダッシュ。
バイク中の補給
バイク中の補給はボトルに三ヶ日みかんジュースとポカリスエット、バイクにアミノサウルス1個、マグオン4個、塩タブレットを準備。
20kmごとにジェルを摂るというルールを設けています。
レースレポートでも書きましたが、バイクの序盤にガーミンの調子が悪くなり、その後、バイクの収納ボックスにいれていたジェルが2つ、道路の凸凹で吹っ飛ぶというアクシデントが発生しました。
めちゃくちゃショックでしたけど、スイム前に予定外のアミノバイルも摂ったし、着替え中も計画通りにジェルも摂ったし、みかんジュースからもエネルギー摂取できるし、ジェルやボトルが吹っ飛んだりするアクシデントを見越して、ラン用のジェルがウェアにも入ってるしと自分に言い聞かせて気持ちを持ち直し、レースを続けることができました。
補給やジェルは万が一のことも考えて、多めに準備しておくことがエネルギー切れにならないコツだと思います。
ジェルを持たずに、ボトルにジェルを溶かしておき、ボトルが吹っ飛んだ!
という話はよく聞きます。
結局、バイクパートでのジェルの補給はマグオン3個、アミノサウルス1個で予定より1個少ないの補給となりました。
ドリンクはみかんジュースは飲み干し、ポカリは半分ぐらい、エイドで配っていたスポドリを飲みました。
みかんジュースは実家にあったのを練習のときに飲んでいて、美味しかったので今回初めて採用。
バイクからランへのトランジション中の補給
バイクが一番嫌いな種目なので、トラブルがありながらもランへたどり着いてホッと一息。
ヘルメットを脱ぎ、靴を履き替えながら、OS-1で水分と塩分の補給。
ベスパとマグオンも準備。
トランジションのときに摂る予定だったマグオンはバイクの時に摂ったけれど、ベスパは摂れず。
ラン中の補給
OS-1をチューチューしながら、ランスタート。
ランパートでは、マグオン2個、アミノサウルス1個のジェルを準備していましたが、1個も食べられませんでした。
いつも、ランパートでもちゃんとジェルを用意するのですが、ランでは飲み込む力がなくて、エイドのコーラでエネルギーと水分を補給しています。
バイクでジェルを落としたのでラン用のジェルをバイク中に摂ることに不安を感じていましたが、ランではいつもジェルを持っていても摂れないので取り越し苦労でした。
かといって、ジェルを持たずに走るということはありません。
エイドにコーラがなかったりすると大変なので……。
全てのエイドでコーラを飲み、エイドにあったイエローキングというメロンも食べてエネルギー切れにはなりませんでした。
持参した塩タブレットにエイドの塩タブも追加して、塩分補給もしたので脚つりもナシで快適に走れました。
トライアスロンレース後の補給
レースが終わった後は、マラソンでもトライアスロンでもBCAAのMUSAHIのNI(ニー)と決めているのでウェアのポケットに入れておきます。
入れていないとスグに飲めないので。
その後、エイドの冷やしうどんを食べて、荷物を受け取って、記念撮影をして帰りました。
すぐに固形物が食べられるのは元気な証!
予想外のできごともありましたが、エネルギー切れも起こさず、久しぶりのミドルディスタンスのトライアスロンであるアイアンマン70.3を完走できました。
タイムも思ったより速かったので食事と補給もうまくいったのではないのかなと思います。
アイアンマン70.3東三河当日のエネルギー摂取量
ちょっと気になったので、レース直前から完走まで、レース当日どのぐらいエネルギーをとったのか計算してみました。
摂取タイミング | 内容 | エネルギー量(kcal) |
朝食 | おにぎり | 960 |
移動中 | ポカリスエット | 144 |
レース前 | ポカリスエットゼリー | 55 |
ベスパ | 18 | |
アミノサウルスレモン | 123.3 | |
アミノバイタル赤 | 109 | |
アミノバイタル青 | 23 | |
スイム→バイク | OS1 | 20 |
アミノサウルスマンゴー | 111.6 | |
バイク | アミノサウルスマンゴー | 111.6 |
マグオンレモン | 120 | |
マグオングレープフルーツ | 120 | |
マグオングレープフルーツ | 120 | |
みかんジュース | 140 | |
みかんジュース | 140 | |
ポカリ&スポドリ | ||
塩タブレット | ||
バイク→ラン | OS1 | 20 |
ラン | コーラ | |
イエローキング | ||
塩タブレット | ||
合計摂取エネルギー | 2335.5 |
どのぐらい摂ったかわからないものは計算に入れていませんが、3,000kcalぐらいは摂取できていそうです。
どのぐらい消費したかはガーミンが止まっちゃったのでわからないのですが、昨年のトライアスロン伊良湖大会3時間6分で1,576kcal消費しているので3,000kcalぐらいの消費かな?
カーボローディングで肝臓と筋肉に蓄えた分と脂肪に蓄えた分もあるので、うまく補給できたと思います。
ローカル枠で入賞もできました!
次回は、アイアンマン70.3東三河ジャパンを完走するためにやったことの最終回【機材編】。
どんな機材を使ったのかをまとめていきます。